代表者挨拶

寸法精度だけでなく、重量調整も含めたバランスよい研削研磨

1972年、新潟県三条市内の鍛造会社から自動車エンジン部品であるコンロッドの研削研磨の仕事を受注したことが、小林研磨工業の技術力の発祥となりました。

特にエンジン関係のコンロッドは重要部品の一つです。「いい加減な作業ではリコールという重大な問題が起きてしまう」と思い、高い緊張感を持ちながら仕事に取り組みました。

当時の鍛造技術では、始めと終わりでは必ず鍛造品のバラツキが発生し、作業者によるハンマーの押し加減によっても、つぶれの精度がそれぞれ変わってしまう時代でした。

そのため、鍛造の後工程として研削研磨を行う必要がありました。バラツキのあるコンロッドに対し、外周のバリ取りと図面に記載され寸法・重量に調整することを要求されました。指定された寸法・重量になっていないと組み立て後のエンジン動作に支障がでてしまうからです。

研削研磨は図面寸法をただ検査基準内で行なうことではなく、鍛造品の微妙な肉厚の変化を考慮にいれながら、一つ一つ丁寧に手仕事でコンロッドのバランスを整える必要がありました。

このコンロッドの仕事に対する気構えが、全てにおいての小林研磨工業の研削研磨技術につながっています。

10年前、技術が実証される。

ある大手メーカーの製造担当者様が、新潟県三条市や燕市の研磨屋さんをいろいろ廻って「ここを最後にして、ダメだったら帰ろう」と思って小林研磨工業を訪ねてきました。

他社で「どこもできない」と断られた部品は、発電所で使うタービンブレードの研削研磨でした。渡された図面と加工品、1時間後、彼は目を大きくして「やっと出会う事ができました」と興奮した声で感謝していただきました。

この製造担当者様の喜びはコンロッドの仕事以来、「さらにレベルの高い研磨がやってみたい」と、全国の難しい仕事を追い求め、チャレンジしてきた結果でありました。そして、この飛び込みで来られた、製造担当者様によって、自社の研磨技術レベルを知ることができ、さらに「これからも、仕事で人を喜ばせたい、喜ばれる仕事がしたい」と真剣に思うきっかけにもなりました。

今、小林研磨工業が挑戦する方向性


お客様に喜んでいただくためには更なる「技術力の向上=高品質・短納期・低コスト」が責務となります。当社では研究開発室を設け、より効率的な研磨方法、そのために必要となる当社独自の研磨機械の開発に積極的に取り組んでおります。

小林研磨工業は、お客様に「感動」を与えられる企業を目指しております。

小林研磨工業 小林肇