加工後の素材を評価するうえで、表面粗さは重要な指標です。しかし一方で、バフ研磨は狙った表面粗さを出すための加工ではないため、どれくらいの表面粗さに仕上がるかはあまり知られていません。とは言え、「素材にバフ研磨を施したいけど、同時に表面粗さも把握しておきたい」というケースもあるでしょう。
そこで本記事では、プロの研磨職人が、バフ研磨後の表面粗さの目安を解説します。素材にバフ研磨を施す前に、ぜひご一読ください。
バフ研磨後の表面粗さ
バフ研磨の作業は、主に以下の3工程に分かれます。
- 粗研磨
- 中研磨
- 仕上げ研磨
どの段階まで研磨するかで、バフ研磨後の表面粗さは変わってきます。
ただし冒頭でも説明した通り、バフ研磨は狙った表面粗さを出すための加工ではありません。以下で紹介する表面粗さは、あくまで目安として捉えてください。
①粗研磨時の表面粗さ:Rz〜3μm
機械加工面や圧延肌のキズ取りを済ませる程度であれば、バフ研磨は粗研磨のみに留められます。一般機械部品であればRz3μm以下、めっき加工製品であればRz1〜2μm以下が目安です。
なお粗研磨後に中研磨を施したい場合は、粗研磨の段階でRz2μm以下に仕上げておきます。
②中研磨時の表面粗さ:Rz0.3〜0.6μm
素材の表面に光沢を出したい場合は、粗研磨後に中研磨を行います。この際の表面粗さの目安はRz0.3〜0.6μm程度です。
なおバフ研磨を施す製品は、中研磨を最終仕上げとすることが多いです。
③仕上げ研磨時の表面粗さ:Rz0.05〜0.2μm
仕上げ研磨は、素材の表面を準鏡面もしくは鏡面に仕上げたい場合に行います。この際の表面粗さの目安はRz0.05〜0.2μm程度です。
製品の見た目を重視したい際は、仕上げ研磨を最終仕上げとして行います。
まとめ
バフ研磨後の表面粗さは、どの段階まで研磨するかで異なります。ただし本記事で紹介している表面粗さは、あくまで目安です。バフ研磨時に表面粗さを調整したい場合は、事前に加工業者に相談しておきましょう。
また弊社でも、プロの研磨職人による品質の高いバフ研磨を実施しています。表面粗さを調整しつつバフ研磨を施したい場合も、ぜひご相談ください。
バフ研磨に関する豆知識
- バフ研磨とは?
- バフ研磨後の表面粗さはどれくらい?
- バフ研磨のコツとは?
- バフ研磨が不得意なシチュエーションとは?
- バフ研磨が必要な製品とは?
- バフ研磨が得意な材質とは?
- バフ研磨で使用する道具・機械は?